むしきんぐ

なんだか変な名前のクワガタだなw

郊外にある某大手スーパーの食品売り場へ市場調査へ行く。


どんなものが売れているか、何がいくらかなんてデータは机上で拾う事も可能なんだけど、やはり現場の雰囲気というのは時として得難いデータをくれたりする。
政策的な商品というのは簡単にわかるけど、その地域で売れているものなんていうのはその店に行かなきゃわかんないからね。
まぁ外を自分勝手にブラブラ出来るというのが最大の魅力でもあるのだけど(苦笑)


夏ももう終わりだというのにフロアの一角に虫かごや小さな水槽に入れられた昆虫が売っていた。
売れ残りなのかな?
鈴虫が時折リーンリーンと秋らしい声をあげている。


よく見ると普通のカブトムシやクワガタなんて売ってやしない。
小さい頃、昆虫図鑑とかでしか見れなかったヘラクレスオオカブトムシとかなんだかわけのわからない名前の奴とかばかり。
私が子供の頃なんて、確かに街中から虫が少なくなりはじめた頃ではあるけど、それでも虫を買うなんて感覚はなかったよな。
時代といえば時代なんだけど、それにしても数年前はせいぜい動物園の昆虫館くらいでしか生きているのを見る事が出来なかったヘラクレスとかを自分で飼う事が出来るというのは凄いというかなんというか…。
まぁ2〜3千円くらいならまだしも、何万円もカブトムシに出すなんて酔狂な真似は私には出来ないけどさ。


ふとコーナーの反対側を見ると落合監督のかみさんみたいな風貌の女性と半ズボンにブレザーの男の子が私と同じ様に昆虫を見ていた。
七五三にしては時期はずれだし、子供の年齢からするとお受験の模擬面接かなにかの帰りなのかもしれない。
お受験にあまり乗り気でない子供を乗せるのにムシで釣ったのか、それとも単に夕飯の買物の途中なのか。


小さな水槽を手に取り、色々な角度からムシを見る男の子。
私らの頃もそうだったけど、いつの世もこういう時の男の子の目って本当にキラキラ輝いてるのな(笑)


無邪気に水槽を眺める子供は無問題なのだが、その横にいる落合夫人が困ったちゃんだった。
何日も展示されて疲れているのか、夜行性のため店内の明るさに大人しくしているのかはわからないが、水槽の中でジッとしている虫の反応を見ようと水槽を縦に横に振っているのである。
そんなさ、どこでだって常識じゃない。
水槽を叩かないとか揺らさないとかって。
それをとっかえひっかえやってるんだな、落合夫人は。


少し離れているので水槽内の昆虫がどうしているかはよく見えないのだが、虫にとって良い訳がない。
というか、良い悪い以前に公共のマナーの問題がある。


かといってあの手のオバさんは変に注意したりすると逆ギレしてくるからなぁ…。
注意すべきかどうするか少々躊躇していた私の視線に気づいたのか、落合夫人は私に「そんなの私の勝手でしょ」みたいな視線を投げ、子供の手を引いて逃げるように去っていってしまった。


なんだかなぁ…。
お受験以前にもっと子供に教えるべき事っていうか、自分が理解し、実践すべき世の中のマナーってものを学ぶ方が先みたいな話だよなぁ。
ああいう親の家庭で育っちゃうと頭でっかちのおバカちゃんが出来上がるのかなぁなんて思ってみたりして。
それとも反面教師で良い子ちゃんが出来るかな?