しゅっちょう その2

八海山泉ビールとおにぎり♪

キーワードリンク機能があるせいなのか、ほとんど身内しか来ないはず(というか身内も来ないか・笑)の日記のわりには訪問者がいるみたいです。
何にも知らずにリンクで飛んできた人…つまんないでしょ、ここ?(爆)


肝心(?)な事を書き忘れてました。
新潟県十日町FOMAの電波がバリバリ入ります。
人口密度で電波状況が変わるFOMAだけに不安だったんですよね。
時々行くつくばの学園都市なんかは平気で圏外地区の方が多かったりするし。
だから新潟の片田舎なんて絶望的と思っていたのですが…。
やっぱりスキー場みたいなリゾートが近いからそれなりに対応しているのかな?


前回の日記を書いてからわかった事。
どうでしょうリターンズ」のリヤカー喜界島一周の旅って2001年2月7日に放送されたものなんですって。
4年も前の話だったんじゃん…。

今年の正月、東京で深夜に放送された「ジャングルリベンジ」の方が全然新しいよ!
ってか、「リベンジ」と言われても最初の「ジャングルの旅」が放送されてないんですけどね(苦笑)


そんな北海道より放送が約4年くらい遅れちゃった新潟県十日町の朝…。
カーテンを開けてビックリ!
物凄く雪が降っている。
落ちてくる雪の大きさがそもそも東京のそれとは違う。
なんかね〜小ぶりな海老センが落ちてくる感じ。
量もそれなりに多いしね。


おはスタは当然やっていないので、普通にめざましテレビを見ながら出かける支度をし、朝食を取る。
目的地まではホテルからタクシーで20分弱なので時間には結構余裕がある。


朝食後、チェックアウトを済ませてホテル正面でタクシーを待っていると先ほどまでフロントにいた男性が防寒装備で玄関の雪かきをしていた。
見ていると道路に面したところに大きな排水溝(横幅50cm強×長さ1m弱)が開いており、覗いて見ると物凄い勢いで水が流れている。
男性に聞いてみると毎日決まった時間に水が流れる仕組みになっており、雪かきをした雪をその溝に流して処理をするんだそうな。
見渡してみると隣の店でもそのまた向こうでも雪かきをしている。
なるほどこれが雪国の生活かと実感。


雪も止み、やって来たタクシーに乗っていざ現地へ。
商店街を抜けるまでほぼ定間隔で雪かきをしている人を見かける。
その人の横には決まって蓋が開けられた排水溝。
商店街の店が開く前に雪かきをしましょうって事なんだね。


商店街を抜け、住宅が増えてくるあたりなると道の両脇に雪の壁が現れる。
最初は人の腰くらいの高さだったのだけど、気がつくと高さ2m以上のものになっている。
道路際の家を見るとどの家も玄関が地面から最低1mは高いところに作られている。
玄関が…というよりも家そのものの土台が1m以上高く作られている感じ。
2階の高さまで雪が積もるとかいう話や何mもある雪の壁の間を走る車の写真とかは昔小学校の教科書とかで見た事があるけど、実際にそれを生で見るのは初めて。


「今朝はすごい雪が降ってましたね…」とタクシーの運転手に聞いたところ、「30cm弱くらいですからね〜たいした量じゃないですよ。津南(つなん・十日町より奥に入ったところ)じゃこの前、2mちょっと降ったし」と軽く流される。


この時期の新潟というのは始めてだったけど、北海道は札幌はもちろん、旭川やもっと奥の豪雪地にだって仕事で行った経験がある。
でもさ、こんな何mという単位の雪ではなかったよな。
スキーリゾートでは見られないリアルの雪国に少々言葉を失う。


大通りを外れたところにある現地に到着。
先方と軽く打ち合わせの後、作業に入る。
食品工場の常として暖房設備なんかは無し。
でも不思議とそれほど寒くない。
雪は暖かいという話は本当みたい。
でも、水は死ぬほど冷たかった。
チラー装置がないのになんで水道口から0℃の水が出てくるんだ…。


久しぶりの肉体労働を終日行い、とりあえず目的は達成。
時間は15時。
作ったものを宅急便で送る手配をし、帰京の準備をする。
時間的にちょうど学校の帰り時刻らしく、女子高生らしき集団をそこここで見かける。
当然なのだけど、みんなそろって長靴を履いている。
そういえば街中でも老若男女みなが長靴を履いていた。
でも私が履いているのは普通の革靴。
そっか!余所者かそうでないかを見分けるにはこの時期履いているものを見ればわかるんだな。


すれ違う学生さん達を見てある事に気づく。
女の子の長靴が結構オシャレなんだよ。
どこかで見たことあるようなブランドのマークがついているものもあれば、カラフルな色使いのものもある。
遠目に黒か茶色の地味な色に見えたものも近くで見ればショートブーツみたいなカッコいいデザインのものだったり。
どこの地でもどんな状況でもオシャレの手段を見つけるというのが女心ってもんなんですかね。
どこか可愛らしくて、微笑ましくもある。
東京では珍しい絵なので写メに撮っておこうかな…と思ったけど、別の目的に誤解をされそうなのでやめとく(苦笑)


ちなみに男子はといえば…みんな釣りバカ日誌みたいなのを履いてました。


十日町駅まで送ってもらい、東京までの電車を待つ事とする。
待ち時間の間、駅前を少し探索。
駅正面に高さ6階建てくらいの巨大な廃墟がある。
数年前までここは織機が有名だったらしく、その組合が建てた会館なんだそうな。
しかし昨今は人件費の安いアジア地区に市場を奪われ、会館も外壁のタイルが無残に剥がれ落ち、廃墟以外の何物でもない姿になってしまっている。
話には聞いていたけど駅前にある最大の建物がこの様相では街の沈んだ空気の訳がわからないでもない。
地方都市の現実って奴なのかな。


弁当屋の看板を見つけたので覗いて見る。
メニューの横に「魚沼産こしひかり使用の店」なる農協や商工会のマークみたいなものが書かれている。
一時期、偽の魚沼産こしひかりとかが話題になったからね。
自衛手段としてこういう制度を作ったのかな?
せっかくなのでオニギリ3個セットなるものを購入。
梅・鮭・タラコ入りで360円也。


道路向かい側に「地ビール」ののぼりを掲げた酒屋を発見!
当然の如く覗いて見る。


「八海山泉ビール」なるその地ビール
製造元はあの八海山を作っているメーカーさん。
ところが大瓶ビールしかないんだな、これが。
ダメ元で缶は無いのか聞いてみるも、やはり無いとの事。
缶はそれなりのロットがないと作れないからね。
地ビールでは仕方がない話。


かといって瓶を買っても車中で飲める訳も無く、しょぼくれて普通の缶ビールを物色していると酒屋の親父が「栓抜きあるよ」と声をかけてくる。
「え!?」と聞き返すと、「せっかく飲みたいって言ってくれてるのにそのまま帰ってもらうのも気の毒だからさ…」と親父。
「八海山泉ビールを買ってくれるんだったら、栓抜きとコップをあげるよ。それで飲んだら?」との事。


無論、速攻快諾♪
ピルスナーヴァイツェン、アルトの3種から親父お勧めのアルトを選択。
キリンビール」と書かれた栓抜きと紙コップを一緒に袋へ入れてもらい、店を出る。

 
駅に着くと丁度出発の時刻。
昨夜と同じほくほく線に乗りこむ。
電車が動き出すのにあわせてビニール袋からおにぎりと八海山泉ビールの瓶を出し、窓際に並べる。
栓抜きと紙コップもね。


車窓から見えるのは一面の白銀の世界。
そこここに民家や店らしきものも見えるけど、みな雪に埋もれて静かに眠っているかの様子。
気がつくとチラチラと雪が降り始めている。


ビールの栓を抜き、黒ビールの様なあめ色のビールをコップに注ぐ。
私は黒ビールが正直あまり好きではないんだけど、ちょっとヌル目の感じがあっていて意外に悪くない味。
おにぎりにカブりつき、それを少し甘めのビールで流し込む。
突飛な事で起きた出張ではあったけど、結構面白かったかな。
美味いものが安かったしね♪

でもあの冷たい水は勘弁だ…。