１ねんすえおき？

バタバタしてたＧＷだったのですが、何をしていたかといえば…

普通にデスクワークでした（苦笑）
あんなに天気が良い日が多かったのにさ（泣）

１日だけ仕事がらみで関東北部の某地へ行って来ました。
超快晴で仕事しているのがバカバカしい感じ。
すれ違う人は皆、半袖シャツで夏の一歩手前みたいな雰囲気なのに私は濃紺のスーツ上下にアルミのアタッシュケース。
まぁそんなのは慣れっこなんですけど。

季節柄天気が良いだけにどこの田んぼでも田植えをしていました。
新潟みたいに広くなく、比較的細かく区切られた田んぼがいくつもあるような感じ。
そこをＧＷ休みで駆り出されたような若いアンちゃんが田植え機に乗ってやっている訳。
まぁのどかですね。

所用があったので、通りがかりのホームセンターに立ち寄り、買い物。
そこで見かけた看板が今回の画像なわけですが…

最長１２ヶ月据え置きローンだそうですよ。
自社クレジットカードみたいですけど、要は種まきの時季に必要なものをカードで購入して、収穫期にとれたものが金になった頃に支払いをという事なんでしょうな。

仕事上、農家の方々と話をする機会がそれなりにあるのですが、総じて皆さんご苦労をされてます。
加えて勉強もされてる。
どんな作物を作られている方々もだいたい日記をつけてらっしゃいますね。
日記といっても天気やその時の畑や田んぼの状態、農薬や肥料の状況とかを記録しているだけなのですが、土で汚れた手でそのまま書くから泥だらけになった大学ノートが何冊、何十冊もあるんですよ。
で、何年前の○○はこういう天気でこうだったから今年はこうしようとかいう話をするわけです。
これはね、物凄い財産ですよ。
金で買えるようなものじゃないし。
もっとも走り書きの汚い字の事が多いので、読ませてもらっても読めない事も少なくないのですが（苦笑）

ここ数年、農業法人なんてものが出来初めた事によって若い層の農家が増えたのですが、それでも大半は若くて50歳代、上は70歳代っていうのも珍しくないのが現状です。
なにしろ数ヶ月〜１年かけて出来た作物が天候一つで台無しになっちゃったり、暴落してクズ同然の値段になったりするような世界ですから、安定性に欠ける事この上ないわけですよ。
そりゃ〜自分達が食べる分だけでも確保しておけば生きていく事は出来るかもしれませんが、それだけではね。
だから安定性を求めて専業農家が減り、兼業化が進むというのも仕方が無い事なんだと思うんです。
そんな状況だから、ＧＷ休みに田植えをしたり、人手が無いから高い農業機械を購入するっていうのも仕方が無い話なんですな。

以前は天候不順で収穫が思うようにいかず、そうなると当然収入が無いから借金を払えなくなって夜逃げとか自殺なんて話がありました。
最近はさすがにそういう話はほとんど聞かないけど、どんなに一生懸命に正しい事をやっても最終的には自然に左右されてしまうというのに世の中の無情を感じずにはいられません。
私は農家の人しか知らないけど、おそらく漁業や畜産にたずさわる方にも同じ様な苦悩って絶対あると思うんだよね。
農家や畜産の類に入れてはいけないんだろうけど、ネトゲ友達で北海道で競走馬を育成する牧場にいる奴なんてのは数年手塩にかけて育てた馬が売れなくて…なんて話もしてたしさ。
（売れないと「肉」になってしまうので、最悪原価割れででも売れた方が嬉しいんだそうな。親心だね…。）

スーパーなんかを覗くと綺麗な野菜が揃ってるじゃない。
無農薬とか有機肥料なんて偉そうに言いながら選んでいるくせにちょっと傷がついていたり虫食いがあると買わないし、小さな芋虫でもついていた日には烈火の如くクレームをつけてくる。
でもさ、本当の作物ってそんなもんじゃないの？
工場で規格品をつくっているわけじゃないんだから、そんなに綺麗なものばっかりなわけないんだよね。

この１２ヶ月支払を待ってくれるカードっていうのが彼らにとって良いのか悪いのかは私にはわからない。
こういうのも大事だとは思うけど、もっと小売側でも消費者に対して正しい食品のあり方ってものをもっと啓蒙していくべきなんじゃないかなとふと思ったりしたんだな。

きっと天気の良いＧＷに休めなかった事に対するグチみたいなもんだけどね（苦笑）