たいやき

柳屋の鯛焼き♪

(´▽`)ノ" ハイハイ〜
私が何人かの方と書いてるマガ「○| ̄|_ =3 プッ」(購読申込は00226798s@merumo.ne.jpにカラメ)に今日書いた話なのですが、なんかマガだけにするのももったいないので日記に再録(笑)
↓が本文です。


地方で未見の方もいらっしゃると思うのですが、先日放送されたハロモニ。鯛焼きの食べ方で性格がわかるなどという心理テストをやっておりました。

(゜Д゜)ハァ?

どういう事?
鯛焼きで心理テスト?
ひょっとして鯛焼きの正式な食べ方というものを知らないの?

これは大変だ!

という事で、今日は鯛焼きの食べ方について御説明申し上げましょう。


そもそも鯛焼きはそんなに歴史が古い食べ物ではありません。
1909(明治42)年に東京の芝に出来たのが一番最初のお店なんだそうです。
この店を開いたのは大阪出身の神戸清次郎なる人物。
東京で一旗あげようと上京し、最初は今川焼きを売り始めたんだけど、これがあまり売れなかったんですね。
そこで今川焼きに手足をつけて「亀の子焼き」というのを作ったんだけど、これもまた売れず。
で、庶民の縁起物という事で鯛の形にして売り出したのが鯛焼きの元祖というわけです。
当初は屋台で売っていたらしいのですが、結果的にはお店を構えるまでにいたったみたいですね。

ちなみに今川焼きの始まりはの安永年間(1772〜80)頃、神田の今川橋付近で売り出されたのが最初。
一説には今川義元の家紋に似ているから今川焼きという説もあるみたいだけど、これは後付の説みたいですね。

だから、今川焼き鯛焼きはそもそも東京(江戸)のお菓子だったというわけなんです。
まぁ今川焼きについては地方によって大判焼きとか太閤焼きなんて言い方があるので(3〜40種類くらいあるらしい)、全ての元祖が今川焼きというのではなく、似たような物がほぼ同時期に派生的に生まれたと見るのがいいのかもしれませんな。

ちなみに東京生まれのお菓子に人形焼なるものがあるのですが、これを考えたのは浅草の木村屋本店。
明治元年に初代が浅草の名所にちなんで五重の塔・雷様・提灯・鳩の四つの型を考案し売り出したのが一番最初。
型をとって作るという点は鯛焼きにつながる部分だから、今風に言うと今川焼きと人形焼のコラボだったなんて風に言えるのかもしれないね。

で、この鯛焼き
そもそもそんなお上品に食べるような代物ではなかったんですな。
なにしろ当時は汚い屋台で作って売っているような物だったんですから。

当時は主に職人さん達が働いている途中に軽く食べられるという点でかなり鯛焼きはうけていたみたいです。
というのも今川焼きも人形焼もズバリ持つところというのが無いでしょ?
ところが鯛焼きの場合は尻尾のところを持ってガブリと食べればいいわけですよ。
これにはちゃんとした理由があって、当時は今ほど上水道が発達していたわけではないので、いちいち短い休憩の時に手を洗ってお茶を飲むなんて習慣はなかったんですな。
だから土や油や埃でまみれた手で持てる鯛焼きというのはものすごく便利だったというわけなんです。
じゃぁ尻尾はどうしたかって?

当時は野良犬なんかもそこそこいたそうなので、尻尾のところは犬に投げてやり、ズボンの裾で2〜3回パンパーンと粉を払って仕事にとりかかるというのがまぁイナセな職人さんというやつだったんでしょう。
(江戸時代の事を描く劇やドラマで同様のシーンがまれに見受けられますが、あれは時代考証ミスなんです)

ここでおそらく大半の方がもったいないと思われる事でしょう。
でもね、当時の鯛焼きには尻尾までアンコが入ってなかったんですよ。
アンコが入っていたのは尻尾の付け根くらいまで。
残りの部分は甘いアンコを食べた後の口直しなんて人もいるようですけど、まぁあまりちゃんと食べるものではなかったようです。

じゃぁ鯛焼きの尻尾にまでアンコが入るようになったのはいつなのか…。
東京には鯛焼き御三家なる有名なお店があります。
麻布十番浪花家総本店(「およげ!タイヤキくん」のモデルになった店)、四谷見附のわかば人形町 柳家がその御三家。
何を持って御三家というのかは知りませんが、確かにこの三軒とも歴史がある老舗ですし、なにしろいまだに1匹づつ手焼きで焼いているのが凄い。
私は人形町柳家さんに時々行くのですが、ここの鯛焼きを食べたらね、確かに他の鯛焼きは食べられませんよ。
数年前に代替わりして、今は息子(といってもいい年のオヤジ)が主に焼いているのですが、たまに爺ちゃんが出てきて焼いた時の皮のパリパリ具合なんざ、もう涙もの。
1匹120円で幸せ気分♪

この御三家のわかばについて演劇評論家安藤鶴夫が昭和28年に「しっぽまでアンの入った誠実さ」と書いたらしいんですね。
無論、それ以前から尻尾までアンコを入れた鯛焼き屋なんて他にいくらでもあったのでしょうけど、世間一般に広まったのはおそらくこれが最初だと思います。

そのわかばさんではお土産で持ち帰った時、冷めた鯛焼きを暖めなおす方法等をパンフレットで紹介しているのですが、そこにある「わかば鯛焼きの召し上がり方」によると…

殿方は頭から、ご婦人は尻尾から、召し上がっておられます。

(^ー'*)bナルホド!
そうだったのか!
亀たんの食べ方は男性向けではあるものの、それほど作法から大きく外れたものではなかったんだね。

バカバカしい話かもしれないけど、茶道等の一部ではちゃんとした作法として鯛焼きの食べ方というのがあるんだそうです。
そこまでギチギチに堅苦しいもんなのかね、御作法ってやつは(苦笑)

ま、ハンバーガーやホットドッグなんかもそうだけど、出来立て熱々のやつを周囲の目なんか気にしないで大きく口を開けて好きなところをガブリといくのが一番美味い食べ方なんじゃないですかね。
もちろん、渋い日本茶付でさ。

さて、小腹が空いたから今日のおやつは鯛焼きにしようかな♪