きむちのくに

MrMoonlight2006-11-05

11/19に韓国ソウルで後藤真希のライブがあるそうです。
この秋のツアー同様にMTVの絡みで行われるそうで、ツアーのファイナルと位置づけられている様子。
日本でもFCが中心になって観客を募っていたみたいです。

この件について現場で親しくさせていただいてる後藤推しのヲタさんからとあるお話をいただきました。
「後藤韓国ライブへの参加者へ現地で『バンザイ』をしないようにマガ誌面で注意を促して欲しい」と。
後藤にとって初の海外ライブでもある今回の韓国公演。
盛り上がるのは結構なのだが、変なミソをつけたくないという事からのお話でした。

日韓の歴史を踏まえた双方の感情というのは私もマスコミ等の報道で知っているので十分理解出来る話ではあったのですが、誌面で取り上げるにはもう少し自分自身、韓国について理解をしておかないと何か突っ込まれた時に対応できないというのもあり、とりあえず預かりみたいな形で保留をしました。

というのもちょうどその話をいただいた頃、私の仕事の関係者の中に最近特に韓国との仕事が増え、実際に現地へ行っている人間(A氏とでも呼びますか)がちょうどその日に帰ってくるのをわかっていたので、なんとか捕まえて話を聞いた上で判断しようと思ったからなんです。
もちろん「後藤真希が韓国でライブをやるんだけど…」なんてズバリな聞き方は出来ませんけど(苦笑)

10月末〜11月初めに韓国では大きな食品展示会がありました。
その人はその仕事で1週間ほど向こうへ行っていたんです。
本当は私も便乗して同行する予定だったんだけど…忙しくてスケジュールの都合がつかなかった(笑)

ここから先の話はA氏が現地で聞いてきた&感じた事を私が聞いたものであり、この目で現地で確認したものではありません。
また私もA氏も特別なイデオロギーや宗教の持ち主ではない事をあらかじめお断りしておきます。

最初に本題である「バンザイ」の件ですが、これはおそらく問題はないであろうという感じっぽいです。
韓国では以前、日本の歌(だけじゃなく映画とかも)は禁止されていました。
「日本の植民地支配を受けた歴史による国民感情や自国文化の保護のため」だそうなのですが、それでも日本の衛星放送や海賊版CD、日本留学から帰ってきた学生などを通じて日本の大衆文化は禁止期間中でも確実に流入していたそうです。
また、日本アニメは韓国語に吹き替えられ日本の作品とはわからない形で公然と韓国のテレビで放映されていたんだそうです。
そんな事情もあってか金大中大統領による日本大衆文化の段階的開放措置により、1998年以来日本文化が条件付きで認められるようになりました。
条件とは、映画は「18歳以下観覧不可のものを除く」、日本の歌は「コンサートは可、CDは不可」、テレビ番組は「ドキュメンタリーは可、娯楽番組は不可」等々。
草薙剛が何度か韓国のTVに出演していますが、その時は韓国語訳でしか歌えなかったんだとか。

開放的になったとはいえ制限付である日本人の「日本語の」歌を聴きにわざわざ出向くというのは極端な言い方をすればかなりの親日派思想の持ち主ともいえるみたいです。
そんな連中なので「バンザイ」等についても心配する必要は無いのでは?というのがその人と話して私が思った結論です。
もちろん、進んでやる必要も無い事であるのも事実ですけどね。


その辺に付帯して韓国人の日本に対する感情の話なんかも聞いてみました。

結論から言えば決して悪く無いそうです。
マスコミ等で反日デモ等の様子が報道されたりしていますが、参加者の大半は自分の信条に関係なくやむを得ず参加しているケースが少なくないんだとか。
例えばとある工場で社長やそれに類するくらいの地位の人間が「デモに参加するぞ!」と言い出した時、工場の全従業員がそれにつき合わなければいけないみたいな。
これは他の事柄にも関わっているんだけど、儒教というあの国の主になっている教えがその根底にあるみたいです。
(その他にも韓国特有の個人行動ではなく集団行動を良しとする傾向もあるみたい)

実際に反日思想を持っている人間も少なく無いそうですが、その大半は労働者階級であり、日本で言えば週末に繁華街で演説をしている街宣車レベルでしか見かけないそうです。
一部評論家も言っていますが、明らかに韓国政府の政策的な理由で反日というのが行われているというのもあるみたいですね。

韓国は物凄い学歴社会なんだそうです。
大学卒が優位なのは勿論なんだけど、その中でもソウル大学が別格。
ロッテや三星電子サムスン)といった韓国の一流企業への入社は勿論ですが、その取引先(仕入先・販売先)担当もソウル大学出身者でないと下に見られる事が少なくないんだとか。
いい年した社会人が初対面の自己紹介で「あなたはどこの大学ですか?」といきなり平気で聞いて来るんだそうです。
当然自分から言う人も少なくないみたい。
日本ではほとんど考えられないですね。
学校名なんて入社試験の時くらいは聞かれますけど、それ以降はほとんど聞かれる事も話す事も無いでしょ。
医者や弁護士みたいな世界であれば学閥みたいものありますけど、普通のサラリーマンでは無いですよ。
韓国ではソウル大学卒>(超えられない壁)>その他の大卒というのが公然とあるみたいです。

中国の地方部でもある話なのですが、家族や一族にちょっと頭の良いのがいるとそいつに皆で金をつぎ込み、
エリートを作ってソウル大学へ入学させ、その子が大人になった時にその恩恵にあずかるというのが韓国でも多いんだとか。
一族郎党が金を出し合っても割が合う価値がソウル大学卒という称号にはあるみたいです。

ソウル大学卒以上の称号というのも当然存在します。
それはソウル大卒にして海外留学の経験があるという事です。
昔の日本のように「海外留学」というのが相当なステイタスというのもあるのですが、韓国で学歴がある人間は自国の教育のゆがみを感じているらしく、ある程度以上のレベルになるには自国文化では無理という自認があるみたいです。

少し話がそれますが、自国文化の限界というのは韓国人にとって目下の命題のようです。
A氏は現地の女子高生を中心に行われた市場調査のインタビューに参加したことがあるそうなのですが、その中で「韓国の経済状態をどう思うか」という質問があったそうです。
相手は女子高生ですし、日本であれば普通に景気が良い、悪いレベルの話が聞ければ御の字というところなのですが、韓国では「GDP国内総生産)が低いので…」というコメントが普通に出てくるんだとか。
GDP」ですよ!「GDP」!
「GNP(国民総生産)」だったらまだニュースとかで耳にする事がありますけど、GDPなんてテストの時位しか使わないでしょ。
このエピソードだけとっても韓国の学習レベルが相当高い事がうかがい知れます。

そんな中での海外留学。
これはある種の裏技みたいな部分もあるのです。
例えばソウル大学へ入学出来なかったとするじゃないですか。
その場合海外の有名な大学へ留学しちゃうんだそうですよ。
そうするとソウル大学以外の大学卒ではなく、その海外の大学卒となるので扱いが良くなるんだとか。
さすがにソウル大卒には負けるそうですが。

韓国が義務教育の中で反日的な教育をしているのは結構知られている話です。
海外留学をするとその辺を中心に自国文化や教育のゆがみに気がつくらしいんですよ。
そのためなのでしょうか、経済界や学者の偉い人になればなるほど反日思想が間違っている事等を言っているそうです。
経済学者にいたっては日本の朝鮮侵攻が無かったら韓国の経済はここまで振興しなかったと断言している人も少なくないんだとか。
彼らに言わせると日本軍が当時作った建物を韓国はいまだに利用しているし、それ以外の点(ODA等含む)を考慮すると朝鮮への日本侵攻が無かった場合、韓国は今の北朝鮮よりも酷い経済・文化状態になったと予想されるのだとか。
これはさすがに極論の部類なのかもしれませんが、政府主導というのと国民の根底にある儒教の教えの2点から韓国の反日思想というのが起きているのは間違いないようです。
反面、それが明らかに間違った思想(かといって親日が絶対正しいともいえないんだけど)である事を理解し始めている層が増えているのも事実というのが韓国の現状みたいです。

この動きに拍車をかけているのがインターネットのようです。
これは一時期、国が率先してパソコンやインターネットの普及を勧めた事に由来するのですが、それによって今まで韓国民が知らなかった色々な事実もまた彼らの目に触れる結果となってしまったのです。
本当に正しい事実は何なのか?
政府は決して嘘は言っていないが、真実の深遠なる部分を知らせようともしていない。
しかし目上の人間たちはその事実のみを真実と信じている。
それが今の若い韓国民が抱えるジレンマなのかもしれません。


韓国のもう一つの動きに技術立国を目指すというのがあるそうです。
これは日本でもある動きなのですが、資源が少ない国なので特許等の知的所有権で外貨を稼ごうというものです。
ところが韓国のものって俗に言うパチモンが多いんですよね。
どこかの国であったものを勝手に借用してその安価タイプを作って売り出すみたいな。
昨今さすがにその風潮は薄れてきていますが、それでも「これの元祖は韓国」といって譲らないものも少なくありません。
ところが韓国の若い層はその辺の事情もかなりの部分で理解をしているし、表面上はなかなか出しませんがそれを恥と思っている節もあるようです。

それらの事情を全てあわせてみると今の韓国の若い人の中でそれなりの学歴を持ち、勉強をしている層は自国の間違いや正さなければならない点を認識しており、それを直さなければいけないと考えているんでしょうね。
ただ国の政策的なものや儒教の目上の人の言う事は絶対という重石が問題なのですが。

それは現地に行っているA氏の方が強く感じているみたいです。
「今の政治・経済の上層部が世代交代し、今の若い連中がその地位につく10数年〜20数年後…日韓の関係はドラスティックに変わると思う。そして日本は最大最強の良い意味でのライバルの誕生を迎える事になる。もっともその前に日韓の関係が良好になるのが一番なんだけどね。」というのが彼の談。
正に同感ですね。

近くて遠い隣国。
それが後藤の韓国ライブみたいなものを通じてでも良いから近くて親しい隣国へと変われる事を望んでやみません。